錬心抄

2012/12/1
錬心抄 111号  合気道通信 (平成24年12月号)
「行到水窮処」 禅語


 
「行到水窮處.・ゆきてはいたるみずのきわまるところ」。水の窮るところというのは川の源流のことだ。日本は森と水の国。どこにも川が流れている。その源となると、ずっと山奥の、せせらぎの音が聞こえる小川の先にある谷川。その川を散策しながら歩いていると、気がついたら渓流の細い流れ、水源にたどりついてしまったというのが「行到水窮處」いうことなのだ。なんでもないことのようだが、これは相当の意味がこもっている。武道の道を極めて行くための指針を暗示している。道場での子供たちの動きを見ているとわかる。無心に、他愛なく、楽しそうに、転がっている。先のことを考えていない。今のその瞬間に没頭する。このように、楽しみながら歩いていると、水源にたどりついてしまっているというのが、武道の奥義なのだ。水源が奥義。深い意味がこもっている。何とか探してやろうと肩に力が入ってしまうと、それはみつからない。力を抜いて、リラックスしてまうと何か本質がみえてくる。「行到水窮處」。これは武道を学んでいくうえで大いなるヒントを与えることばでなのである。


本多青仁斎靖邦
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