錬心抄

2013/02/01
錬心抄 113号  合気道通信 (平成25年2月号)
「老人の自ら養ふに四件有。日く和易、曰く自然、曰く遺遥、日く流動、是なり。諸処激烈の事皆害有」
       佐藤一斎

佐藤一斎(1772〜1859)は江戸末期の著名な儒学者。美濃の出身である。弟子に佐久間象山、渡辺崋山、横井小楠など錚々たる人物が並ぶ。特に西郷隆盛は佐藤一斎の「言志四録」の熱心な読者だった。「老人の自ら養ふに四件有…」は人の生き方を特に後半生の老い方を説いている。おだやかに自然体で、こだわりなく水のように流動的で悠々していることだという。世の中の動きには超然と、あまり心を動かさない、「諸処激烈の事皆害有」と諭しているのだ。武芸修行もまさにこのとおりで、激しさをどこかに秘して、柔らかにゆったりした動きを追求していく。武術は年齢とともにそれなりに己を鍜えて行くもの。「少くしと学べば即ち壮にして為すことあり、壮にして学べば即ち老いて衰えず老にしてい学べば即ち死して朽ちず」。まさにこの通りである。佐藤一斎、当時としては高齢の88歳まで生きた。


本多青仁斎靖邦
http://blogs.yahoo.co.jp/aonisai0719/folder/1320568.html

合気道青葉塾道場
http://www.ningenkobo.com/aikidou

本多青仁斎の武道稽古日誌
http://blogs.yahoo.co.jp/aonisai0719

2013/01/1
錬心抄 112号  合気道通信 (平成25年1月号)
「百不知百不会」 禅語
    (ひゃくふちひやくふえ)

11月、12月の道場正面右に掛けた禅語。「何んにも知らない、何んにもわかってない」、これではダメだ、という意味にとられそうだが、違う。禅の言葉、深い意味がある。「何も知らない。何もわからない。それでいいんだ」ということである。世の中、頭のいい人が幸せになるとは限らない。経験を積んだから何でもうまく行くとは限らない。頭がいいと先が見えて臆病になる。経験を生かそうとすると前例にとらわれてしまう。かえって頭や経験にとらわれないことがいい判断を生む。論語にも「これを知るを知るとなし、知らざるを知らずとせよ、是れ知るなり」というのがある。武術はまさにそれで、そのまま、技をみて、身体を動かす。素直に自然にくりかえす。前後は考えない。このあたりになると、子供たちがいい師である。「百不知百不会」を道場で十分発揮しているのは子供たちなのだから。


本多青仁斎靖邦
http://blogs.yahoo.co.jp/aonisai0719/folder/1320568.html

合気道青葉塾道場
http://www.ningenkobo.com/aikidou

本多青仁斎の武道稽古日誌
http://blogs.yahoo.co.jp/aonisai0719

< 1 2

- Topics Board -