8月23日(金) | 乾坤一擲 青葉区版436号
この夏は渋野日向子の全英女子オープン優勝の快挙で、ゴルフが突然脚光を浴びることになった。世界一は42年ぶり。樋口久子がいきなり全米女子オープンを制覇したそのころ、日本ではゴルフはそんなメジャーなスポーツではない。その年、昭和52年、王貞治がホームラン756本の世界記録を達成し、国民栄誉賞第一号を受賞している。「パソコン」、「ふとん乾燥機」が売り出され、流行語は「カラオケ」、「普通の女の子に戻りたい」。流行った歌は、「渚のシンドバット」、「青春時代」。アメリカ大統領はジミー・カーター ◆イギリスでは渋野日向子の笑顔に人気が集まった。「スマイル・シンデレラ」。小学生時代ソフトボールを始めた。ポジションはピッチャー。バッターは四番で左打席に入った。投げるのは下からだから、ゴルフスイングの身体が自然に出来上がる。それに右でバット振らせない。右腰は下からの手の振り方だけを覚えていく。ソフトボールが世界一の女子ゴルファーを作り上げたのだ ◆高校野球の予選、7月25日、岩手大会決勝戦、190pの長身で、163qの剛速球投手、大船戸高校の佐々木朗希投手はマウンドに立たなかった。前日の準決勝で129球を投げている。国安陽平監督は登板を回避したのだ。張本勲は若い時は投げ過ぎて肩が壊れることはない、と「喝=v。佐々木朗希は9歳の時、東日本大震災に遭遇し、父親と祖父母を失くしている。地元では佐々木朗希を甲子園マウンドにと期待して球場は満員。どうして出さなかった!と学校の電話は鳴り響いた ◆渋野日向子、帰国二戦目、軽井沢最終ホール。バーディーでならば優勝。手が震え、スマイルも消え、ボギー。優勝を逸する。大勢のギャラリーたちは「スマイル・シンデレラ」に健闘の拍手を惜しまなかった。佐々木朗希、甲子園目前の登板回避。決してマイナスではない。これからの遥かな道。期待の集まる世間の目、それを糧にしてさらなる挑戦、これが佐々木朗希の使命である。
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