| 1月 6日(金) | 乾坤一擲
昨年末、12月19日のお昼、ニュースを観るためテレビのスイッチを入れる。金正日朝鮮総書記死去の報道だった。驚いた。後継者は三男の金正恩らしい。この金王朝の歴史は新しい。第二次世界大戦の終了時である。朝鮮半島での日本の長い統治が終ると、ソ連は突如として日本に対して宣戦を布告する。朝鮮半島の北部に侵攻し、まもなく日本の北方領土を占領した。寒いシベリアの広い領土を持つソ連は歴史的に暖かい南が好きなのだ。隙あらば朝鮮・日本をわが領土としたい。大戦の後、アメリカと旧ソ連の突っ張りあいで朝鮮は二分された。その頃のソ連の書記長はスターリン。朝鮮半島をわがモノにするという野望に賭けた。朝鮮の抗日活動家だった金成柱を、北部朝鮮で伝説的な英雄「金日成将軍」に仕立て上げたのである。なりすました金日成の稚拙な演説を聞き、おかしいと一部で騒ぎ出したが、スターリンは押し通した。すぐに「偽の金日成将軍」は朝鮮共産党の書記長に祭り上げられた。その勢いで、北朝鮮軍は38度線を越えて南側に侵攻した。朝鮮戦争勃発である。北は一時は全土を制圧するかに見えたが、アメリカ軍が仁川上陸を開始すると、この「首領様」は部下に指揮をまかせ、どこかに逃走してしまった。間もなく中国軍が派兵したことによって戦局は膠着する。1953年6月、休戦が決まると、すました顔では平壌に帰って来た。北朝鮮の金王朝が生まれたのはそんな訳で、東西の冷戦、大国のエゴイズムの狭い谷間の中で、いいかげんなものだったのだ。それが世襲となって二代目・金正日の悪行の数々。テロ支援国家として、イラン、イラクとともに「悪の枢軸」とアメリカのブッシュに名指しされても、平気なもの。「先軍政治」「瀬戸際外交」とやりたい放題。日本人数十人の拉致事件は、小泉元総理との会談で認めたものの、「一部の盲動主義者がやった。もう処分した」で、ある。1987年の大韓航空を爆破計画の張本人。あの金賢姫の証言で明らかになっている。その三代目が金正恩、28歳。体形があの国の人にしては異様。国民は餓えているというのに、まるまる太っている。中・高とスイスに留学。落第して帰国。「首領」として就任すると、国民に「魚」を配給するよう命じた。ブータンの若い国王夫妻が日本にやってきたのはつい最近。東日本震災のお見舞いと新婚旅行をかねたものだった。ブータンという国は人口70万人。国土はちょうど九州と同じ大きさである。中国に隣設している。ナムゲル・ワンクチュ国王は5代目。32歳。世界最年少の国王である。この国王夫妻は好感をもって迎えられた。ブータンは経済的豊かさは追い求めない。国民がお互いどれだけ幸福感を共有できるかということが国是だという。国民総生産ではなく国民総幸福度というのを国をあげて追求する。そうだこれは北朝鮮建国の理想だったのだ。どこでどう間違ったのか、国民のほとんどは餓えている。。金正恩三代目総書記は国民に「魚」を配給する前に、ブータンのナムゲル・ワンクチュ国王にお会いして、ブータンの国情を視察するのが先ではないか。三代の世襲はない。金王朝はゆっくりと解体されていく方向が望ましいと、誰もが思っている。 |
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