坂道を登るように

合気道には試合がない。強いのか弱いのか。自分の道場での位置がわからない。ただ稽古というのは坂道を登って行くようなものだ。絶えず前進してなければならない。ここなのだ。三日で登ってきても休めばあっさり後戻りしてしまう。たゆまずこつこつなのだが。はじめは誰でも大変な意気込みだ。ところが熱が冷めてしまう。すると身体は元に戻ってしまう。続けると驚くほど上達するのだが。

修行とは 上る坂道 薄紅葉         無得庵是空

平成30年10月29日
至道無難 山波平九朗

受身三年

こういう時代だから畳の上で日本の伝統的な武道を子供にやらせるのはいい。厳しく礼儀作法が指導される。これは集中してやらなければ身につかない。勝手なことをあちこちで勝手にやってては道場ではない。受身三年というが、受身だけでなく身辺のこと理解するためには、そのくらい時間がかかるということだ。出来なければ稽古は無理だ。


まだ遠し 受身三年 野分晴れ         無得庵是空

平成30年10月22日
至道無難 山波平九朗

まだまだ

黒帯になるのが最終到達点ではない。そこからまだまだ修行は続く。合気道の稽古に対して誤解があるようだ。袴を着けてから、すべてが始まる。身体の動きや心構え、維持して行くのは容易ではない。何かをつかもうとしているのに、止めてしまうと稽古を始める前のただの人になってしまう。少しずつ、少しずつ、なのだが。

気にするな 一歩前へ出よ 秋の雲         無得庵是空

平成30年10月18日
至道無難 山波平九朗







スローライフ

合気道の技は神秘的なもので、触れたら一瞬飛ばされる。指先でチョロット相手を倒してしまう。そういうイメージがあり、そう思ってやっている人もいる。ところがそれは大間違いで、スローライフ、なのだ。基本的な動きの繰り返し。これを続けられるかどうか、だ。やってると、知らない内に、心と身体が出来上がって行く。感覚が養われていく。これなんです。

完璧は 目指さぬがよし 秋の暮          無得庵是空

平成30年10月16日
至道無難 山波平九朗







弄巧成拙

武術の動きに派手さというのはない。当たり前のことをどなときでも当たり前にできること、だろう。かっこよくやろうと思ってはならない。それは無意識、無為自然、自然体、これが技の結果。稽古の無意識の積み重ね。何も難しく考えてはいけない。弄巧成拙。上手くやろうなどと思うな。

こうくれば こう打ち返せ 秋の雲         無得庵是空
写真 日曜特別稽古会               菩提亭写多・撮影
平成30年10月8日
至道無難 山波平九朗










始末

武道の稽古を通じて何を学ぶか。それは取り組む姿勢、だろう。目標を立てる。それに向かって一歩、一歩。道場には始まる前には来てなければならない。自らすすんで準備。そういう謙虚さだ。終ったら片付け。始末をつける。その繰り返しが人間を作る。何も難しいことではない。


名月や 我に神なし 仏なし           無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古        菩提亭写多・撮影
平成30年10月3日
至道無難 山波平九朗

色あせぬ

平日の木曜稽古がいい。少年部はなかなか続かない。今は、塾が忙しい。学校は早く帰ってそういうところで本格的な勉強だという。少年時代、学校以外で勉強するところは我が家だったのだが。柔道の道場が開設されて、小学4年生になったらすぐ始めた。夢中になった。思い出しながら木曜稽古会、6時30分から2時間を楽しんでいる。休まずに続けること、これしかないのだが。

色あせぬ 武術の教えや 秋の空       無得庵是空
写真  本多青仁斎靖邦のひとり稽古      菩提亭写多・撮影
平成30年9月21日 
至道無難 山波平九朗   




天高し

空を飛ぶクルマが開発されているようだ。漫画「鉄腕アトム」の高速道路の絵に驚いた時代があった。ところがいつの間にか現実となってしまた。飛ぶクルマ?動け、歩け、走れ…。これからの時代は少し後を見ながら未来に向かっていくべきだろう。

天高く ただひたすらに この道を       無得庵是空
本多青仁斎靖邦のひとり稽古          菩提亭写多・撮影
平成30年9月15日 
至道無難 山波平九朗  




 

剣術・杖術講習会

年2回の剣術・杖術講習会。4時間の緊迫した時間。これが講習会の大きな目的。技は基本的なもの。複雑でも何でもない。これが普段の稽古の時、慣れになってインパクトがなくなる。たとえ一人の人でも見られていれば緊張する。講習会・審査は大きな区切りとなる。

この道は 稽古稽古よ 秋の月        無得庵是空
写真 審査風景               菩提亭写多・撮影
平成30年9月8日
至道無難 山波平九朗


八月侭

8月がもう終る。酷暑、猛暑、激暑、こんな暑い夏は経験したことがない。それでも、なんやかやあっても道場に出る。単純な動きを繰り返す。武道はパフォーマンスではない。人間がどこかに置いてきてしまった、本来の人間らしい動きをとりもどすこと、それが武道・合気道の稽古なのだ。急ぐことはない。ゆっくりと、ひと足ずつ、ひと足ずつ、である。

道場の 隅で八月 終わりけり          無得庵是空
写真 青葉スポーツセンターで日曜特別稽古    菩提亭写多・撮影
平成30年8月30日
至道無難 山波平九朗




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