自然体

合気道は無理をしない。無理に力を使わない。自然体。いつでも身体を自然に動けるようにしておく。私の自然体を維持していく稽古法は居合道。これはちょっとした空間があればいつでもOK。1時間も集中すれば心身さわやか。

さんかくまる しかくの原理や 桜散る   無得流俳句 無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古   菩提亭写多・撮影

平成25年4月11日
至道無難 山波平九朗

心魂

居合というのは、武家社会、晩年の武士たちの健康法ではなかったのか?身体の衰えは下半身から来るもの。精神的なものも大きい。そこで静かに真剣を振る。心が落ち着く。特に正座からの型の動きは股関節に刺激を与える。心身が鍛えられていく。いざという時あわてない。心魂が座ってくる。

繰り返す 居合の型や 春の月       無得流俳句 無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古      菩提亭写多・撮影

平成25年4月9日
至道無難 山波平九朗



直木三十五

芥川賞と直木賞。芥川龍之介と直木三十五。文学史上では直木三十五は大衆文学作家。娯楽文学と評価していた。ところがこの直木三十五という人物の凄さを最近知った。変わり者と思っていた。彼の「日本剣豪列伝」を読んで見方を変えた。頭の鋭さは芥川を凌ぐ。武術への造詣並ではない。文の人なのにである。

文と武 負けること知れ 春嵐     無得流俳句 無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古    菩提亭写多・撮影

平成25年4月3日
至道無難 山波平九朗

独行道

武蔵は武術を道とみている。兵法は思想だという。文字にして絵にして彫刻にもした。五輪の書を書き上げる前に、自分の一生を自戒し「独行道」21か条をあらわした。その武蔵は吉川英治によって日本中を熱狂させる実在の剣豪だったと世に出された。そのきっかけは直木賞の直木三十五である。武蔵論争でかれは武蔵を評価しなかった。それで吉川は宮本武蔵を書いた。

世々の道 そむくことなし 春時雨     無得流俳句 無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古      菩提亭写多・撮影

平成25年3月31日
至道無難 山波平九朗

安部一族

森鴎外の「安部一族」を読み返した。こういう古典はやはり年を経てから読むもの。細川熊本藩主の忠利の死後の殉死をめぐる逸話。実際にあった歴史上の事件だ。その騒動に細川藩食客の宮本武蔵が安部一族を討つ藩側のさむらいに声をかけるところで出てくる。時代はそのころ、宮本武蔵は熊本にいた。


及ばざるは 過ぎたるに勝る 春の雲    無得流俳句 無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古      菩提亭写多・撮影

平成25年3月29日
至道無難 山波平九朗

無私

日本人には「私」はなかった。ものもあまり言わなかった。自分よりも人のためつくすことが自然だった。武道の稽古が日常行なわれ、それが養われていた。今はその逆。そういった私の無い日本の心を取り戻さなければならない。

甦るは 武の心なり 桜咲く      無得流俳句 無得庵是空
写真  日曜特別稽古           菩提亭写多・撮影

平成25年3月23日
至道無難 山波平九朗

散る花

桜の開花が今年は早い。ソメイヨシノ。桜は潔い男性の象徴。ぱっと咲いてぱっと散る。宇宙の悠久の時間からすると人間の一生はあっという間。桜のように潔く生きよう。前を向いて。

散る花を 追うな出てくる 春の月    無得流俳句 無得庵是空
写真  本多青仁斎靖邦のひとり稽古    菩提亭写多・撮影

平成25年3月20日
至道無難 山波平九朗

武蔵

武蔵の「独行道」は死ぬ間際に残した己を戒めた21条。その中に「我事において後悔せず」「神仏を敬い神仏に頼らず」など武士としてどう生きるかの指針が残されていておもしろい。巌流島のあとの30年。すざましい生き様。

道場に 春の三日月 顔を出し   無得流俳句 無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古  菩提亭写多・撮影

平成25年3月19日
至道無難 山波平九朗

ひとり稽古

合気道の稽古は大勢そろって畳を敷いてやるべきものだが、そういう道場はなかなかない。週に1,2回できればいい。あとはひとりでやる。真剣を使う居合道は心身の鍛錬にいい。武術的な身体を維持していく、さらに没頭すると無の世界に突入。正座は下半身を鍛える。

身は捨てて 名は捨てざるや 春北風(はるならい) 無得庵是空
写真 本多青仁斎靖邦のひとり稽古         菩提亭写多・撮影

平成25年3月14日
至道無難 山波平九朗

合気道の稽古にあるもの

合気道の稽古には今の時代だからこそ日本人にとって考えさせられるることが多々ある。心と身体のバランスだ。機械化とモノがあふれる時代。思うことは何でもすぐにできる。身体は使わなくなった。武道は身体が動かないと成就しない。地味である。結果はすぐに出ない。だからこそ今必要なのだ。

極意とは 平らに事無し 春野風     無得流俳句 無得庵是空
平成25年3月13日
至道無難 山波平九朗

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